キービジュアル 日付

OVERVIEW

2020年に結成されたアート&デザインコレクティブglowでは、プロジェクトごとにメンバーの組み合わせを変化させながら活動を行ってきました。近年では研究教育機関に所属するメンバーを中心に、作品の制作手法や鑑賞体験に焦点をあてた研究プロジェクトや、研究成果を広く一般に広めるための教育プロジェクトなどへ、その活動の範囲を拡張してきています。

メンバー自身の表現活動と同時並行的に行われているこれらのプロジェクトは、「制作者」自身による「表現研究」とも位置づけられ、当然その過程で得られる体験や成果は、個々の表現活動に強い影響を与えるものとなっています。メンバーの協働によって行われる研究・教育プロジェクトが、メンバーの表現を進化させ、新たな研究対象を生み出していく。私たちは、ここに見られるある種の循環を、新たな表現活動のフロー(流れ)と捉え、その過程で行われる「制作者」自身による「表現研究」を、新たな表現を探求していく上で重要なものと位置づけています。

本展では、私たちglowメンバーが行っているメディアテクノロジーを介在させた表現研究を中心に、様々な試行(practice)の成果を「体験可能」な状態で提示し、その体験を起点にした議論の場とすることを通して、新たな協働の可能性を発見する場とすることを目指しています。

タイトル

glow - in practice

会期

2024年11月29日[金]−12月11日[水]
14:00−19:00

※11月29日[金]は16:00から
※12月4日[水]は17:00まで
※12月5日[木]は休廊
※12月11日[水]は17:00まで

会場

新宿眼科画廊 スペース地下

(東京都新宿区新宿5-18-11)

> Google Map

入場料

無料

クレジット

企画:glow
プロデュース:京野朗子
キービジュアル制作:横山 徹
会場・広報デザイン:大山千尋
動画制作:岡本彰生
会場設計:ArtDKT
総合ディレクション:赤羽 亨

協力:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]、愛知県立芸術大学、株式会社マーブル、株式会社asyl、株式会社FLAME

WORKS

Radio Subvisualize Prompter

ラジオから流れてくる音声は、その安っぽさとは裏腹に妙に生々しい。そこには伝えるべき情報だけでなく、情動を揺さぶる質感が埋め込まれている。本作品では、ポータブルラジオから絶え間なく流れ続ける“音”をマイクで集音し、強制的に文字起こし-要約-プロンプト生成といった極めて今日的な記号化処理が施される。出力されたプロンプトを画像生成AIに入力することで、準リアルタイムにラジオが伝えるべき情報を画像化する。この過程には様々なノイズやバイアスが潜在しているが、生成される画像群の外見は、あたかもそうあるべきかのように均質化される。雑に切り取られた日常の一コマの横で、プロンプターに提示される反訳文は、誰が読み上げ、誰が聞くための文章なのだろうか。

制作:横山 徹(v0id)、飛谷謙介(IAMAS)、赤羽 亨(IAMAS)

Studies: 憑依される図形たち

近年、自宅の日用品をモチーフにした3DCGアニメーションをSNSで公開してきた。このアニメーションの3DCG造形は、iPadのモデリングアプリNomad Sculptを用いてクロッキーを行う感覚で造形している。Apple Pencilで撫で回された、滑らかで歪な手ぐせの残る造形たち。この作品シリーズでは、それらのアニメーションのために制作された造形たちを、3Dプリンターで彫刻として出力し直します。この作品は教育機関で展示する際に、自身のアニメーションの制作過程を見てもらう目的で制作したものだったが、iPadで撫で回した痕跡の残る3Dプリンターの出力結果が面白く制作を継続している。少しマヌケな、人肌感じる日用品たちをさまざまな角度からご覧ください。

制作:丹羽彩乃
展示設計:大島拓郎
プログラム:水口翔太

Workshops 2024 / glow

glowメンバーが行ったワークショップや授業に関するアーカイブ展示。

カタログデザイン:大山千尋(LAP)
カタログ編集:京野朗子(FLAME)
ビデオ制作:丹羽彩乃

VRアーカイブビューワー プロジェクト

- 鑑賞者主観情報と時空間データによるVRアーカイブシステムの開発 -

時間軸を持つ芸術作品と鑑賞者の視聴覚情報をVR空間上に再現することを試みるプロジェクト。開発中のVRアーカイブビューワーはビデオ、バイノーラル音響、3Dデータなどの異種データを時間同期して表示でき、それらを元に鑑賞者の視聴覚をVR上で追体験する。作品を記録・保存するメディアの幅を広げ、様々な形態の作品を記録、資料化する手法の1つとして提案している。

研究代表:池田泰教(愛知県立芸術大学)
研究分担:赤羽 亨(IAMAS)、飛谷謙介(IAMAS)
開発協力:横山 徹、山田興生
実験協力:根木隆之(静岡文化芸術大学)、福島 諭(作曲)、高橋 悠(株式会社タンジェントデザイン)
*本研究はJSPS科研費JP23K00238、および公益財団法人日東学術振興財団の助成を受けたものです。

AR Audio Guide

AR技術を活用し、場所に応じた音声情報を提供するスマートフォンアプリ「AR Audio Guide」。本展では、実際の展示を題材にした多様なプロトタイプを通じて、来場者が展示物の背景や詳細情報を視覚と聴覚の両面から体験できる新たなガイド手法を提案する。美術館・博物館への展開にとどまらず、AR技術による新たな表現メディアとしての応用も視野に入れている。

共同研究:赤羽 亨(IAMAS)、ウエヤマトモコ(asyl)、京野朗子(FLAME)
技術開発:佐々木 耀、伏田昌弘(株式会社マーブル)

MultiChannel MR

複数の映像を用いた空間的映像展示(=映像インスタレーション)のためのVR設計システムを発展させ、MR環境下で映像インスタレーションの設計および試作を可能にするシステム。本展示では、愛知県立芸術大学メディア映像専攻の授業で制作された課題作品の記録映像に加え、MR環境下でのマルチチャンネル映像を用いた空間的表現の試作を展示する。

研究代表:赤羽 亨(IAMAS)、技術開発:伏田昌弘(株式会社マーブル)
協力:池田泰教、八嶋有司(愛知県立芸術大学メディア映像専攻)
メディア映像実技ⅢB 授業課題:柏日菜乙、鈴木絢子、井上あすか、菱川七海(愛知県立芸術大学メディア映像専攻)