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メンバー紹介レポート 07 ー 八嶋有司

アート&デザインコレクティブglowには、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが所属しています。

このレポートシリーズでは、各回ごとにメンバー1人に焦点をあて、これまでの活動やバックグラウンド、今に至るまでの経歴、今後の制作などについて紹介します。このシリーズを通して、個々のメンバーが抱くビジョンを捉えた上で、それらを重ね合わせたglowのビジョンを浮かび上がらせることを目的としています。

第7回は、アーティスト八嶋有司さんを紹介します。

これまでの経歴について教えてください。

京都造形芸術大学で映像表現を学び、その後、IAMASでメディア表現を学びました。自分の作品発表は現代美術の枠組みの中でとらえられることが多いのですが、僕としては「映像」という言葉に執着しています。

作品形態として立体造形のような表現もありますが、イメージをどのように切り取り、投影するかということを常に考えています。また、誰もが経験したことがあるけど、忘れてしまっているような取りとめのない出来事を、触れることのできない光によって形ある作品にするなど、過去の作品「P.A」も含め、これらのアイデアは映像が起点になっています。

活動をする上でこれまでに影響を受けたアーティストはいますか?

学生時代から今もずっと影響を受けている作家や作品はとても多いです。
今、もし僕にお金があるならレンブラントやカラヴァッジョの絵画はほしいですね。
ほかにも、一人を選ぶことはできないのですが、アントニー・ゴームリー、ローマン・シグネール、アニッシュ・カプーア、トーマス・ルフ、トム・フリードマン、ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス、トニー・ヒル、ケネス・アンガー、スタン・ブラッケージ、中平卓馬、鈴木志郎康、伊藤高志、笹口数多くの作家、作品が好きでそこから影響を受けていると思います。
藤幡正樹さんの「メディアのコンディションを探る」という言葉は今も胸に刺さります。

制作スタイルは、つねに実験的でありたいです。映像をメディアとしてとらえ、光を使った現象やイメージの作られ方、映写機の内部のような体験など、映像を使った壮大な実験を中心に、その延長線上に作品があると考えています。
機械の眼を使って、目の前の現象から映像として何を抜き取るのか? これからもそんな挑戦をしていきたいです。

現在の活動や仕事について教えてください。

現在はアーティストとして作品制作と発表を行いながら、大学で教員をしています。
僕自身の作品制作だけでなく、展覧会やイベントの企画運営、ディレクター、プロジェクトマネージメント、テクニカルマネージメント、空間設計・会場構成、設営も含め担当することもあります。
その時には、アーティストの目線で作品に寄り添ったプランをつくっています。

今後、取り組んでいきたいことはありますか?

ちょうどコミッションワークとして映像インスタレーション制作に関わった展覧会「富野由悠季の世界」(2019-2021)が終わったばかりで、今、まさに個人として取り組むべき課題を息を止めて見つめている感じでした。

絶対的な善と正義に閉口してしまうような許されない社会に疑問を持ちつつ、「多様性」、「コロナ禍」、「持続可能」そういった流行語には惑わされずに、自分が見たいことに、正直に反応できる立場でありたいと思っています。

やめたり、切り替えたり、捨てたり、ゲームチェンジできるような、そんな判断と瞬発力も大事ですよね。自分の中の初期衝動、その反応を信じて制作に取り組みたいです。

どういった経緯でglowに参加することになったのでしょうか?

IAMASのつながりが大きいです。
ArtDKTに所属していますが、ユニットとも、チームとも言い難い…どう言えばいいのか難しいのですが、構成する縛りはないけど、それぞれに得意分野があり、必殺仕事人のようなスタイルで仕事をこなす集団でしょうか。そんなメンバーと一緒に作品の発表や研究、設営、撮影などの仕事を行っています。

僕としては、ArtDKTを通して先輩方から学ぶことがまだまだたくさんあります。
どんな些細なことも相談できるし、何かあれば必ず意見は聞きたいそんなメンバーたちです。
もし、“何かを守る”みたいな仕事があったら、どんな難題でも捨て身で死守しそうな人たちです。なんというか、とにかく最後までちゃんと立っている人みたいな、そんな人たちだと思います。そんな先輩からglowに誘われたので、そもそも僕の中に“断る”という選択はまずありませんでした。

glowの魅力やおもしろさはどんなところにあると思いますか?

実は、どれくらいの人数が所属しているのかわかっていません。大所帯なのだろうと想像していますが。

そして、世界がこんな状況なので、メンバーと集まる機会がつくれないので、できることならglowとして何かを達成した際には、メンバーたちと一緒に乾杯がしたいです。
全メンバーで展覧会を開催してもいいかもしれません。そうですね、glowのメンバーにIAMAS関係者が多いなら大垣市のソピアホールでやるのも楽しいかもしれません。
あと、全メンバーのことがわかるglow図鑑みたいなのをつくってもいいですね。そんなカタログのような、スポーツ選手年鑑のような冊子がほしいです。
それと、定期的な情報共有の集会みたいなもの、glow学会のような研究会があってもいいように思います。

glowに期待することがあれば教えてください。

あらゆる分野に精通したメンバーが揃っているのではないでしょうか。クリエイティブな仕事のすべてを、glowのメンバーがカバーしていると言っても過言ではありません。
だからこそ、glow全員で取り掛かる仕事があればおもしろいですね、ぜひ、やってみたいです。

あと、いろんなジャンルのメンバーと交流を深めたいです。glowがギルドのような機能を持ち、glow内で経済が回っているような感じになったら、それもおもしろいですね。
積極的な連携に期待します!

 

編集 森岡まこぱ

 

Photo credit
01 《この世界を風景の–Dive》2019  富野由悠季の世界
ⓒサンライズ ⓒ創通・サンライズⓒサンライズ・バンダイビジュアル・バンダイチャンネル ⓒSUNRISE・BV・WOWOW
Photo Daisaku OOZU
02  八嶋有司《The Dive – Methods to trace a city》2015 Galerie 16(京都)
Photo 表恒匡
03  八嶋有司《formless works》2012 N-mark B1(名古屋)
04  八嶋有司《P.A》2007 京都芸術センター
Photo 豊永政史

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