glow

一覧に戻る

メンバー紹介レポート 14 ー 丸尾隆一

アート&デザインコレクティブglowには、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが所属しています。

このレポートシリーズでは、各回ごとにメンバー1人に焦点をあて、これまでの活動やバックグラウンド、今に至るまでの経歴、今後の制作についてなどについて紹介します。このシリーズを通して、個々のメンバーが抱くビジョンを捉えた上で、それらを重ね合わせたglowのビジョンを浮かび上がらせることを目的としています。

第14回は、写真撮影や映像ドキュメントの分野で活動する丸尾隆一さんを紹介します。

丸尾さんの現在の仕事や活動について教えてください。

現在は、フリーランスのフォトグラファー/ビデオグラファー/映像ディレクターとして活動しています。主に美術/アート/パフォーミングアーツ/教育分野に関するプロジェクトに関わりながら、写真撮影や映像制作を中心に仕事をしています。

2021年の活動を振り返えると、美術関連では「志村信裕|影を投げる」(千葉市美術館 つくりかけラボ)、「新・晴れた日 篠山紀信」展(東京都写真美術館)、「キューガーデン英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」展(東京都庭園美術館)、「語りの複数性」展(東京都渋谷公園通りギャラリー)の記録写真や展示映像、映像ドキュメントの制作に関わりました。

舞台やパフォーマンス関連は、「かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブル」(ブリティッシュ・カウンシル、川崎市他共同主催)、「テンペスト ~はじめて海を泳ぐには~」(日・英・バングラデシュ3カ国共同事業)、ロンドン交響楽団「Discovery for 2021」―あらゆる人と音楽を奏でる喜びを―(ブリティッシュ・カウンシル主催)などの映像ドキュメント制作も行いました。

また継続的に関わっているものとして、幼稚園と小・中学校が混在する学校法人「軽井沢風越学園」の映像ドキュメント「風しねま」(2018〜)や、NTTインターコミュニケーションセンターの年間活動記録(2016〜)、現代芸術振興財団が主催するアワードの映像ドキュメント制作(2017〜)なども担当しています。

どういう経緯で現在の仕事や活動を行うようになったのでしょうか? 現在の活動につながる転機や影響を与えたものについても教えてください。

2015年に上京しましたが、その時には某百貨店が展開していた教育プロジェクトのブランディングの仕事が活動の半分を占めていました。当時は、それと平行して写真と映像の仕事もしていたので三足のわらじ的な感覚もありました。
当時を少し俯瞰して見ると「形に残らない表現をどのように残すか?」という視点から、プロジェクトごとに、関わる濃度や立場を変え、自分にできることを都度つくっていくという感覚がありました。

このやり方は、独立する前に勤めていた山口情報芸術センター[YCAM]で培ったものです。YCAMでは、写真や映像の技術者として現場で経験を積みながら、アーティストの作品制作にも次第にたずさわり、さらには施設の広報やPR業務とも連携していました。
その結果、気がつけばテレビ番組やラジオ番組まで制作したり、Webサイトのディレクションや芸術祭の事務局の仕事まで手を広げていました。

そんなところにまで手を広げられたのは、私自身、文化的な環境を構築する組織や主体に興味があったからだと思います。というのも、初めてYCAMに訪れた時に目に止まったのもYCAMそのものではなく、すぐ隣にある集合住宅でした。
自分の生まれ育った風景にとてもよく似ていたことから「自分の町にYCAMのような建物ができたら、どんな人生になっただろう?」という疑問を持ちました。環境が持つポテンシャルに興味を持ったのだと思います。

また、私もglowに所属する多数のメンバー同様、 IAMAS(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)に在学していました。IAMASに入学したきっかけは、高校時代に先生がアルス・エレクトロニカを特集したテレビ番組(NEXT SEXをテーマにした年のアルスを紹介するNHKスペシャル)を見せてくれたことでした。衝撃を受けたのは、そこで紹介される個々の作品というより、アルスやリンツを実現可能にしている環境そのものに憧れた記憶があります。

自分を形成しているモノを環境も含めて俯瞰して観察することで、世の中の大小さまざまな社会を知りたいという欲求を持っていたのかなと、今は考えています。それなので、何かが生み出される現場に加え、それを可能にする組織の仕組み、そして活動やプロジェクトを継続するための意義や変化への対応まで興味が付きないという感覚です。

今後挑戦していきたいこと、力を入れたい活動などあれば教えて下さい。

IAMASとYCAMを経ているとよく勘違いされるのですが、プログラミングの類がまったくできません。…が、これはやはり再挑戦したいです。老後に(笑)。
後は、時間をかけないと見えてこないことに粘り強く関わりたいなという気持ちがあります。

glowに参加するきっかけは? glowの魅力はどこだと思いますか?

赤羽先生に誘ってもらったのが直接のきっかけですが、二つ返事でOKしたのは、glowの活動形態が、当時自分で考えていた事柄に似ていたからです。

フリーランスになってしばらくすると、法人化の話や、活動の幅の広げ方の話に、誰しもが直面しますが、いきなり幅を広げる方法ではなく、もう少し柔軟に、人と人の連携を保つやり方はないのかなとぼんやり考えていました。
その時にいただいた話だったので、実践しながら連携を模索するという意味でも、glowをおもしろそうだと感じたので参加しました。

いまだに会ったことのない人もいますが、そこはIAMASの繋がりで不思議な信頼感があります。
…ただその信頼感は内輪な話だと思うので、そこばかりに目を向けるのは、正直どうかなという気持ちもありますが。この信頼感って、世の中でも結構意義があるというか。広まってもいいのではないかという気持ちも同時にあって、そこがglowの魅力になってもいいのかなと思ったりもしています。

glowのメンバーと挑戦してみたいことはありますか? 

どういう形でやればいいのかわからない取り組みを、みんなで悩んでみたいです。
どうすれば実現できるか誰も知らないけれど、なんとなくできそうなこと、おもしろそうなことのアイデアはどんどん出てくると思うんですが、まずはみんなで悩むところからスタートするような仕事や活動ができるといいですね。

あとはメタバースで初顔合わせとか、自主イベントとか、そういう遊びみたいなこともやりたいです。

 

編集 森岡まこぱ

 

Photo credit

1 東京都庭園美術館「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」展 展示映像(2021)
2 軽井沢風越学園「風しねま」(2018〜)
3 PinS Project 「WEEKEND TOMIOKA(2021〜)
4 高島屋史料館TOKYO「日本橋高島屋と村野藤吾」展 展示映像(2019〜)
5 NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 展覧会ドキュメント「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」(2017)

関連人物

丸尾隆一

飛谷謙介

関連ページ

軽井沢風越学園
https://kazakoshi.ed.jp/

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
https://www.ntticc.or.jp/ja/

山口情報芸術センター[YCAM]
https://www.ycam.jp/

高島屋史料館TOKYO
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/

Pins Project
https://pinsproject.net/

Prev
最新レポート