アート&デザインコレクティブglowには、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが所属しています。
このレポートシリーズでは、各回ごとにメンバー1人に焦点をあて、これまでの活動やバックグラウンド、今に至るまでの経歴、今後の制作などについて紹介します。このシリーズを通して、個々のメンバーが抱くビジョンを捉えた上で、それらを重ね合わせたglowのビジョンを浮かび上がらせることを目的としています。
第13回は、デザイナーとして活動する岡崎友恵さん を紹介します。
岡崎さんの現在の仕事や関わっている活動について教えてください。
フリーランスのデザイナーとして活動しています。
ジャンルは特定せず、映像制作やグラフィック、ロゴ、Web、グッズデザインなど幅広く関わっています。
どういう経緯で現在の仕事や活動を行うようになったのでしょうか? 現在の活動につながる転機や影響を与えたものについても教えてください。
名古屋芸術大学のデザイン科メディアコースに在籍していました。
立体造形が好きだったのでスペースデザインを専攻するつもりだったのですが、当時人気だったPerfumeのライブ演出やプロジェクションマッピングに一目惚れした結果、メディアコースに入り、そのままの勢いでIAMASへ進学しました。
IAMAS在学時は、田舎の寮生活となるので性格や年齢、専門分野の違う人たちとずっと一緒に過ごすことになります。とにかく最初はお互いの共通言語が少なくて、とまどうことが多かったです。
一見した限りでは理解できないことを人に噛みくだいて伝える作業は、とても難しく、体力のいることなんだと、その経験を通して感じました。
今は、できるだけ鑑賞者が壁を感じないように鑑賞するために予備知識のいらないものを制作するように心がけています。
修士の作品「あっちとこっちとその間」ではスマートフォンやタッチパネルなど、誰もが身近に感じられる映像媒体をモチーフにした作品をつくりました。
また、IAMASの同期生と共同制作した「コログラフィック」では、木製の多面体とディスプレイの作品をつくりました。
これは木製の多面体を回すと各面に刻印された図形のモーショングラフィックがディスプレイの動画上でレイヤーされる仕組みになっています。TikTokのような動画アプリがなかった当時、ものづくりをしたことがない人や子どもたちにも動画をつくる楽しさを感じてもらいたいと思ってつくりました。
卒業後はイベント会社に就職しましたが、現在は退職してフリーランスとして活動しています。
今はとにかくいろいろな現場に関わってみたいです。
今後挑戦していきたいこと、力を入れたい活動などあれば教えて下さい。
アウトプットの方向を増やしていきたいです。
大学でメディアデザインを専攻したことを後悔しているわけではないのですが、「スペースデザインを選んでいたら今頃何をしていたんだろう?」と考えることがあります。立体物をつくることに憧れがあるんだと思います。
最近は「coconogacco」というファッション系のスクールに通いはじめました。ファッションやセンスそのものを概念から考える…みたいなことをするのですが、芸術系の大学やIAMASとも全然違う考え方を今は学んでいます。
正直とまどうことばかりですが、そこがすごく面白いです!
IAMASもさまざまなバックグラウンドの人が混在する環境でしたが、異なる文化や価値観の違いを感じることが好きなので、そうやって取り込んだ話を自分の中でまとめて、かたちにしていきたいと思っています。
どうしてglowに参加しようと思ったのでしょうか?
フリーランスなので、最初はシンプルに「仕事ください!」ぐらいの気持ちで参加しました。
glowの体制については他の方がたくさんコメントされているので割愛しますが、登録制ではなく紹介制のため、メンバーが知り合いの知り合いぐらいの距離感の方とチームを組むことになるので、コミュニケーションが取りやすい環境だと感じます。
編集 森岡まこぱ
Photo credit
01 「あっちとこっちとその間」(IAMAS修士作品)
02 コログラフィック(共同作品)
03 Expanded Animation/glow
04 「Day」(自主制作モーショングラフィック)