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メンバー紹介レポート 02 ー 大山千尋

アート&デザインコレクティブglowには、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが所属しています。
このレポートシリーズでは、各回ごとにメンバー1人に焦点をあて、これまでの活動やバックグラウンド、今に至るまでの経歴、今後の制作などについて紹介します。このシリーズを通して、個々のメンバーが抱くビジョンを捉えた上で、それらを重ね合わせたglowのビジョンを浮かび上がらせることを目的としています。

第2回は、デザイナーでLAPのメンバーでもある大山千尋さんを紹介します。

バックグラウンドを教えて下さい。

日用品や街の風景を眺めるので好きで、日常を見直すということに関心がありました。学部生の頃は、デジタルファブリケーションやサウンドスケープ、電子工作など様々な表現手法を学び、それらを踏まえて街の音を録音し立体音響のように聞ける装置を制作しました。
院生になり、参加した編纂プロジェクト*が面白く、幼少期から路上観察学が好きだったこともあり、改めて本という紙媒体にまとめる楽しさを知りました。日用品のスケッチを描き、造本をしていく過程で装丁や文字組みに興味が湧き、デザインについてほとんど何も知らない状態で現在の事務所に入所し、働きながら学んでいきました。
それから少ししてLAPの活動を展示するからパネルを作って欲しいと依頼があり、それを機に私も一員に入れていただき、現在に至ります。
*採集と対話によるフィールドワークを行い、本にまとめるプロジェクト

現在は、どのような活動をしていますか?

現在は岐阜の小さなデザイン事務所に所属しています。美術館やギャラリー、個人のお店のグラフィックをメインになんでもやるところなので、日々学びが多いです。平面的になりすぎない、奥行きのあるデザインを意識し制作しています。 また、LAPにも所属しており、主に展示用のグラフィックを制作しています。

最近の作品について教えてください。

オーダーメイドでウエディングドレスを制作するお店のロゴをデザインしました。シンプルで甘すぎず少しかっこいい感じがほしい、というオーダーだったので、ロゴはセリフ体を使用してかっちりしつつ、線の強弱で繊細さを表現しました。マークはSNSでアイコンにしたときに潰れないようになるべくシンプルにし、丸みと直線で硬すぎない印象にしました。店名をモチーフに、指輪が2つ並んでいるようにも、ベールを被った花嫁のようにも、抽象的に捉えられるロゴとなっています。色も細かな調整を繰り返して、グレーの無機質さに赤みを足すことで素っ気なさすぎない落ち着いた印象を出しています。

今後取り組みたいことについて

物質としてのグラフィックの強さという点で、最近はシルクスクリーンと素材に興味があります。擦れやにじみ、厚みといったアナログの質感に改めて触れていきたいと思っています。それらを装丁やパッケージに生かしていきたいです。

glowの何に魅力を感じますか?

表現が縛られないところです。多種多様な活動を行っているメンバーが自分を含め20名在籍しているため、自分では難しい点も誰かなら実行できる強みがあります。先日LAPのWEBをglowの方々にリニューアルしてもらました。レイアウトはもちろん、技術的な面でも細かい要望に対応していただけて、素晴らしいリニューアルとなりました。個人だけでは厳しいところも、チームで活動することで補い合えて、とても良い刺激となります。

glowに対する、あなたのビジョンを教えてください。

人数や分野のおかげで臨機応変な対応ができるglowの特性を生かしていければと思います。個人と集団の中間のような関係性なので、お互いの活動が視界に入りつつ高め合いながら、自由に編成を組み替えて動けるのが面白く、強みであると感じます。個人やLAPでは難しい表現も、glowなら実現できる気がします。

 

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